はじめに
男性でも育休を取れる時代になってきたとはいえ、
実際に上司に相談するとなると、不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
「どんな反応をされるのか分からない」
「昇進に響くのでは?」
「嫌われて職場に居づらくなるかも…」
僕もそんな不安を抱えながら、1年間の育休を申し出ました。
しかし、最初は肯定的だった上司の態度は、次第に180度変わっていったのです。
この記事では、僕が実際に経験した育休交渉の流れや、
その結果退職を決断するに至った背景を、具体的にお伝えします。
男性育休を考えている方や、会社との交渉に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
僕が「1年間の育休取得」を申し出た理由と背景
僕が当時勤めていたのは、関東を中心に拠点を持つ中堅の教育系企業です。
従業員数は約3,000人、育休制度は整備されており、女性社員は当たり前のように産休・育休を取得していました。
一方で、男性の育休取得実績は皆無でした。
僕はその会社で2年目の正社員でしたが、第一子の妊娠が分かった時、迷わず1年間の育休を希望しました。
育休は法律上の権利ですが、前例がない中での申請には不安もありました。
だからこそ、タイミングや伝え方には慎重になりました。
僕は当時入社2年目ではありましたが、ありがたいことに業績も評価されていたため、ちょっぴり強気で「1年間」と考えていました。
育休を申し出たときの上司の第一声

上司の最初の反応はまさかの大歓迎
そんな中、僕は上司に「1年間育休を取りたい」と打ち明けました
最初の反応は驚くほどポジティブで、
「1年間しっかり取っていいよ。奥さんに怒られないようにね。応援してるよ」
と言ってもらえました。
更には、
「男性の育休は社内初かもね」
「会社の風土を変える良い機会だと思う」
とまで言ってもらえ、正直ホッとしました。
この時は、うまくいきそうだと思っていました。
相談を重ねるうちに変わっていった上司の態度

育休の取得時期や引き継ぎについて話し合いを重ねるうちに、上司の態度が少しずつ変化していきました。
最初は応援してくれていたはずなのに、
「本当に1年も必要か?」
「繁忙期だけでも働いてくれないか?」
「いや、繁忙期に向けた準備も必要だから育休は最小限にしてほしい」
「過去に例はないしな、会社的に難しいんじゃないかな」
「育休は取らない方が周りのためだぞ」
といった言葉が増えてきました。
考えられる理由
主張が変わっていった理由は定かではありませんが、下記のように予想しています。
- 僕のいた部署は業績が悪く、会社からの風当たりが強かったので、僕がいなくなることで業績が下がる可能性が高まることが上司にとって嫌だった
- 僕のいた部署の正社員は僕の他に2人(合計3人)しかいなかったので、僕がいない間の補填が難しいと感じられていた
- 実際は同僚と相談しきちんと回るように準備していたが、上司は現場に来ることが一切無かったので状況が分からず、僕ら部下に「大丈夫です、回ります」と言われても信じられなかった
- 部署の業績が悪く予算が下りないため、僕の補填として新しい人を採用することは出来なかった

そう簡単にはいかないたこね…
最終的に「1日だけなら許可する」と言われた
それから半年ほど相談は続きました。
風向きは悪くなる一方で、最終的には、
「1日だけなら取得OK」
という話で決着がつき、がっかりしたのを覚えています。
さらに後日、信頼している先輩社員から
「上司が『あいつ(僕)は辞めさせて、新しい人を入れる方が良いんじゃないか』と話していたよ」
と言われました。
思えば育休の話を持ち出してから、上司からの当たりが強くなっていったような気がします。
例えばこんなイメージです
- それまでは何も言われなかったようなことにも突っかかられるようになった
- それまではいつも通っていた有給休暇の申請が通らなくなった
- 結果を出しても褒められなくなった

退職させるために嫌がらせをされていたとしたら、とっても悲しいたこ~
退職という選択肢に気持ちが傾いていった理由
話し合いを続ける気力が尽きた
正直、後半は話し合いを続ける気力も無くなっていました。
あれだけ前向きに応援してくれていた上司の態度が変わり、さらに「辞めさせるか」という話まで聞いたとき、これ以上この環境で戦うのは難しいと感じました。
安定とは何か?を考え直した
実は、もともと僕はフリーランス作曲家として働いていた時期がありました。
子供が欲しいねという話になったとき、安定した生活のために正社員という道を選びました。
ですが、いくら給料が安定しようとも、育休を1日しか取得できないのでは子供の時間が確保できませんし、今回のように主張をコロコロ変えられるようでは、真の意味での安定した生活は難しいと考えました。
というわけで、僕は出産予定日までに退職し再びフリーランス作曲家としての仕事に力を入れていくことにし、せっかく時間の融通が利くならということで、このブログを立ち上げました。
追記:退職して本当に良かった
現在僕はフリーランス作曲家としての仕事に邁進しつつ、生後2か月の娘の育児との両立を頑張っていますが、会社を辞めてフリーランスになって本当に良かったと感じます。
理由はこんな感じです
- 在宅勤務中心なので、育児や家事に多く参加できる
- 病院やおでかけなど、日程調整に困ることがない
- 大好きな子供や妻といつも一緒にいられる
- お金の不安はあるが今のところ問題なく、仮にお金が減るようなことがあっても、一緒に過ごせる時間の対価だと思えばどうってことない

仕事の合間に娘の顔を見に行くととっても癒されるたこ~
おわりに

育休を取りたいと思っても、業種、職種、会社、部署、社内での立場、時期などによって、思うようにいかないこともあるということを学びました。
その会社で男性が育休を取得できるかどうかについては、就職する前からある程度調べることはできますし、就職した後も周りを見れば何となく分かるはずです。
早いうちから「この会社は育休を取得できるのか?」を知り、作戦を立てておけば、育休取得は難しくないのかもしれません。
僕にはこれが足りなかったため、今回取得できなかったのだと思います。
僕はたまたまフリーランスという道があり、結果としてこの選択に大満足していますが、
もしあのまま会社員のまま育休を取らせてもらえなかったら…と思うとぞっとします。

何も考えなくとも、みんなが育休を取得できるような社会になればいいな~と思うたこ~




















なんていい会社なんだ~と大喜びしていたし、妻にも喜んで話していたこ~